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2017年03月30日

日本政策金融公庫のお仕事 <前編>
農業経営を融資でサポート!〜水戸支店編〜

農業経営を資金面からサポートし、加えて経営改善のアドバイス等も行う日本政策金融公庫 農林水産事業。農林水産業専門の金融機関だからこそできるサポートとは?
実際に資金を利用している農業法人の方も交えてお話を伺いました!
(※当社発行の農業フリーペーパー「VOICE」37号/2016年冬号より転載)

農業経営を融資でサポート! 〜水戸支店編〜

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【農業法人】 有限会社野口肥育牧場 代表 野口博隆さん(写真中央)
【日本公庫】 水戸支店 農林水産事業 村瀬誉史郎さん(写真右)・阿部未来さん(写真左)

―野口さんと日本公庫は、どのくらい前から取引があるのですか?

野口さん: 私は3代目ですが、父の代から日本公庫とは取引があります。特に今は規模拡大中なので、牛舎の建設や子牛の導入費用として資金を利用しています。また、以前、牛の相場が急落した際に運転資金を借り入れし、それを元手に経営を復活させたこともありました。

―日本公庫と他の金融機関で大きな違いはありますか?

野口さん: 畜産の専門用語を使っても話が通じる点や、「この規模の経営だとこれくらい資金が必要だ」ということをご存知なので話が進めやすい点ですね。

村瀬さん: 私たちは農林水産業専門の金融機関なので、その点は強みです。例えば、「○○頭規模の牛舎を建てるにはどの程度の建設費が必要か、子牛の相場が今1頭○○万円位なので、それを 100頭購入すれば○千万円程度が必要だ」という計算も頭の中ですぐにできます。業界のことを知らないとお客さまとコミュニケーションが取れませんし、正しい融資判断もできません。

―融資だけでなく、経営のアドバイスもされていると伺いましたが、実際にどのようなことをされていますか?

村瀬さん: 例えば、お客さまの決算書を元に経営分析を行っています。当社のお客さまは全国にいらっしゃるので、例えば野口肥育牧場様と同じ肉用牛生産をされているお客さまを比較して強みや弱みなどを総合的に分析し、その結果を「経営分析表」としてフィードバックしています。

野口さん: この「経営分析表」は毎年楽しみにしています。「やや危ない」とか「健全」とか書かれていて分かりやすいですし、「ここを改善していこう」という指標にもなるので。

阿部さん: 他にもビジネスマッチングや海外展開支援など、お客さまの経営を トータルサポートしています。

―最後に学生に一言お願いします!

野口さん: 視野を広げてどんどんチャレンジしてほしいですね。

阿部さん: 私は入庫1年目です。当社に就職を決めたのは、学生時代に「農業に何らかの形で関わりたい」と考えていた時に、たまたま学内の就職説明会に参加していた当社職員の情熱と事業内容に共感したからです。もし学生さんの中で「農業者の皆様に寄り添いながら、夢や事業をサポートする仕事がしたい」と考えている方がいらっしゃれば、「金融面から直接的にサポートできる仕事もある」ことを知ってほしいなと思います。

村瀬さん: お客さまの経営を最も力強くサポートできるのは金融機関だと思います。何より、日本農業の成長・発展に寄与できるのが、農林水産業の専門金融機関である私たちの特徴です。当社の事業に共感してくれる学生さんたちと、将来一緒に仕事ができることを楽しみにしています。

有限会社 野口肥育牧場

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和牛・F1(交雑種)あわせて580頭を肥育している。
現在、肥育1,000頭を目指して規模拡大中。
目標は「自分の子が自発的に『継ぎたい』と言ってくれる経営にすること」。


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今年完成した牛舎。新たに160頭を肥育予定。
牛舎建設や運転資金(子牛の導入やエサの購入など)等に公庫の資金を利用している。


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同社では生後2か月の子牛(スモール)を購入し肥育している。
「良い肉に育てるための勉強に終わりはないですよ」と力強くお話されました。


会社紹介

●日本政策金融公庫 農林水産事業とは?
日本政策金融公庫は、大きく「国民生活事業」「農林水産事業」「中小企業事業」の3事業に分かれています。その中で「農林水産事業」は、農業・林業・漁業・食品産業の事業者へ融資をしています。大きな特徴の一つは株式の100%を国が保有する政策金融機関であること。国の政策を金融面から後押しするという役割があります。
【URL】 https://www.jfc.go.jp/n/recruit/business/business04.html

voice37_13p05.jpg●どんな仕事をしているの?
「社名から堅い会社をイメージされる方もいらっしゃるようですが、必ずしもそんなことないですよ!」と話す職員の皆さまに、就活秘話や仕事のお話を伺いました。
*WEBサイトに掲載中
http://agri-map-interview.sblo.jp/article/177800190.html




※記載情報は取材当時のものです。
※無断転用・転載・改変を禁止します。引用の際は、当社までご連絡ください。
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posted by agri-map at 13:43| Comment(0) | 金融

【農業法人×学生団体】『畑コン』開催!

イベントを通して「一歩、農のそばへ」

「第5回畑コン」を株式会社FIO(※)と共同開催した学生団体「アグリベラル・マルシェ実行委員会」。
同団体は、桜美林大学リベラルアーツ学群に所属する学生を中心に構成されています。
活動理念は「一歩、農のそばへ」。文系でありながら農業に関心を持ち自発的に農業に関わる活動をされている皆さんですが、今回は同団体の代表 鈴木空也さん(学部4年)に初の試みとなる学外活動「畑コン」の運営にかける想いと、普段の活動についてお話を伺いました。
(※)株式会社FIOは、東京都八王子にある20〜30代の若者が経営する農業法人。

(※当社発行の農業フリーペーパー「VOICE」37号/2016年冬号より転載)

アグリベラル・マルシェ実行委員会 代表 鈴木空也さん(学部4年)

voice37_12p01.jpg―「畑コン」に関わり始めたきっかけを教えてください。
 まず、私たちは年に一度、桜美林大学の校内で「アグリベラル・マルシェ」を開催していますが、その第1回目にFIOさんにもご出店いただき、繋がりができました。そのご縁でFIOさんから「畑コン」の運営をご提案されたのですが、その時はまだ自分たちの理念「一歩農のそばへ」が学外にも向いていることに気づいていなかったですし、農業を軸にした合コンのようなイベントがあることにも驚きました。

―「畑コン」は、皆さんにとってどのような企画でしょうか?
 私たちが運営させていただく「畑コン」の理念は、「畑での出会いを通じて一歩農のそばへ」。マルシェは学生を対象にしていますが、「畑コン」は学外の方に一歩農に近づいていただくための企画だと思っています。学生と社会の2つにアプローチすることが私たちの活動の基盤になると思っているので、欠かせないイベントです。

―普段はどのような活動をされていますか?
 先ほどもお話した「アグリベラル・マルシェ」の運営が最大の活動です。そのほかも農家さんのお手伝いや農業関係のイベンへトの参加、学内の畑で野菜の栽培を通じて、学生に農業について多面的に伝え、農業への関心を高めたいという目的で活動しています。

―活動を通して農業へのイメージは変わりましたか?
 実は私は、最初はさほど農業に関心があったわけではありませんが、ポジティブなイメージに変わりました。一緒に活動しているメンバーの中には将来の選択肢として農業を捉え始めた学生も出てきましたよ。また、マルシェのお客さんのアンケートで「農業に関心を持つようになった」というコメントもいただき、周囲の方の意識も変わり始めているのではないかと思っています。

―活動を通してどのようなことを得ましたか?
 理念が変化してきたことですね。私たちは当初、学生に農業を知ってもらう目的で活動を行ってきました。しかし、学生だけでなくいろいろな世代に関心を持ってほしいと思うようになりました。

―今後はどのような展開を?
 個人的には、学生主体でマルシェを開催しているのは珍しく価値のあることだと思っているので、他大学にも発信していきたいですね。
 今後の活動は、興味を持ってついてきてくれている後輩がいるので、彼らが主体的に考え活動してくれたら嬉しいです。

第5回 畑コンに潜入取材!!

voice37_12p02.jpg 晴天に恵まれた12月18日、第5回「畑コン」が開催されました。「畑で交流を深め、自然につながりを作っていこう」を目的にしたこのイベントに約20名の男女が参加。
 主催者の一人である(株)FIO山田さんの「畑で作業する畑コンはたくさんあるから、ゲームで童心に戻ろう」という意向のもと、「アグリベラル・マルシェ実行委員会」の学生たちが企画した「収穫ゲーム」「箱の中身あてゲーム」「ベジタブルバスケット」などのゲームで打ち解けあいました。その後、収穫した野菜を用いて参加者同士で作る「生春巻き」やBBQ、学生が考案したサツマイモスープや創作サラダに舌鼓を打ちながら交流を深めました。
 参加者からは「地元でこのようなイベントがあることがうれしい」。「食べることが楽しかった。自分が学生の時にはイベントの運営をしたことがなかったから、自分に置き換えてみるとすごいと思う」などの感想が聞かれました。

【 運営を終えて〜学生の声〜 】

●皆が自主的に行動して運営ができました。組織として、誰かの指示を待つのではなく、自分で動いていけるというのはよかったと思います。(鈴木)

●参加者も運営側も含めて、みんなの活気ある姿を見られたが良かったですね。最後お客さんが名残惜しそうにしていたのも印象的でした。(三宅)

●社会に出る前にこのような活動ができてよかったです。(五十嵐)

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※記載情報は取材当時のものです。
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posted by agri-map at 13:39| Comment(0) | 学生・学生団体

「新しいアイディアで新規就農者を育成する!」新潟県三条市

「県外の農業法人で研修を積んでから当市内で新規就農」という方法に取り組んでいる新潟県三条市。
この珍しい取組みを始めたきっかけは?三条市役所 経済部農林課 係長 渡辺哲也さんに、事業内容や農業者育成にかける想いなどを伺いました!
(※当社発行の農業フリーペーパー「VOICE」37号/2016年冬号より転載)

新しいアイディアで新規就農者を育成する!

37号_渡辺さん.jpg―多くの自治体では「県内で農業研修を積んで県内で就農」という就農支援策を取られていますが、なぜ貴市では「県外の農業法人」で研修を積むのでしょうか?

 三条市の農業で他の農業者が目指すべき一番星となる農業者を育成するために最適な方法だと考えたためです。
 ここ新潟県三条市は越後平野の真ん中にあり広大な農地を有しており、お米の生産を中心とした農業が行われてきました。一方で、「刃物等金属製品の加工が盛んなものづくりの町」でもあり、工業を中心とした仕事が多くあります。米の需要の落ち込みが続き農業者が転作対応をする中で兼業化が進んだことで、市内の農業者の80%以上は兼業農家という状況です。
 このことは、市内に農業者の安定的な就業先はあるものの経営として成り立つ農業は進んでいないということです。この状況を受け産業としての農業という原点に帰って考えた時に、「安定兼業≠ヘ国土保全や地域コミュニティの維持など重要な役割を果たしておりその維持は重要だが、農業だけでごはんを食べていける経営の育成が必要ではないか」という議論になりました。

 そこで、「農業だけでごはんの食べられる経営」の育成を進めよう、そのためにどうすれば良いのか、ということで先進農業者の事例調査を行ったところ「価格決定力」というキーワードを見つけました。
 この「価格決定力」とは、自ら生産する農産物を市場相場等に左右されずに自ら決めた価格で販売できる力ということです。その力をつけるためには「価格決定力」のある農業者から直接指導してもらうことが良いと考え、先進農業者の事例調査も踏まえ、茨城県で「小さくて強い農業」を展開する(株)久松農園さんと、長野県で大規模農業を展開する(有)トップリバーさんに、「価格決定力」のある「研修派遣先」としてお願いするに至りました。この取組を踏まえて育成された新規就農者が本市で営農を行うことで、市内の既存の農業者にもその営農手法などがおおいに波及していくことを期待しています。

37号_ 三条市チラシ.jpg―2社とも有名な農業法人ですね!ところで2社の作目は野菜ですが、野菜での新規就農を支援されているのですか?

 作目は稲作であってもかまわないと思っています。しかし、稲作や畜産は初期の設備投資にかなりお金がかかるなど新規就農者にはハードルが高いため、比較的設備投資がかからず稲作より少ない耕地で単位面積当たりの収益性を確保できる経営として野菜での研修に重点化することにしました。しかし「価格決定力」の確保とは、そのための生産技術の取得もさることながら、「価格決定力」を確保するための営業・販売技術をも備えることになり、このことが本市の取組の肝となっており、稲作においても十分に応用できると考えています。
 ただ、三条市は地理的に冬場は雪が積もるので、その間をどうするかという戦略を考える必要があります。必要な農業機械等の投資については県や国などの事業を活用しながら支援できればと思っています。

―最後に、学生に一言お願いします!

 農業は非常に魅力のある産業だと思います。農業をやるためにいろんな事を自分で考え、自分の裁量で経営を行い結果は全て自分に返ってくるのです。その意味で農業は最高の自由業だと思っています。また、農業はまだまだ開拓できる部分があり、例えば消費者のニッチでディープなニーズを開拓して新たな農産物の流通を構築するなど、やり方次第では大きく発展する可能性を持っています。
 ここ三条市は都心から新幹線でわずか2時間のところにありながら都市部と広大な自然が共存する「ほどよく田舎」なところです。「農業をしたい!」という方は、ぜひ三条市にも目を向けてほしいですね!

●事業の詳細 ⇒ http://www.city.sanjo.niigata.jp/nourin/page00260.html

「自立と自走」のために

 研修先の1つである「株式会社 久松農園」は、有機農業で年間50種類以上の野菜を生産し、個人や飲食店等への直接販売を軸にした農業経営をされています。
 代表の久松達央さんは、1998年に一般企業を退職後、1年間の農業研修を経て1999年に独立就農。今回は久松さんに、この事業に期待することなどを伺いました。

37号_ 久松さん.jpg● この事業で期待していることは?
 冬場の雪、中山間地という条件不利地域でも自立した農業経営が行えれば、地域の資源は守られます。人口減時代の日本の新しい農業のモデルをつくっていくこと、それを広く発信していくこと。

● 人材育成への想いを教えてください。
 おいしい野菜でお客様を喜ばせる、という価値を提供し続けるためには、当人がおいしい野菜をつくれるだけでは不十分。おいしい野菜をつくれる人をつくる、ことまでやってはじめて仕事と言えます。

● 農業を志す学生へ一言!
 好きな仕事でメシを食うキーワードは「自立と自走」。自立とは、信念を曲げずに生きられるだけの精神的経済的基盤を持ち続けること。自走とは己の力でPDCAを回して、やればやるほど経営が良くなっていく推進力を持つこと。一人ですべてをこなすことなど無理です。何をやるか、よりも誰とやるか、を真剣に考えてください。

【株式会社 久松農園】
住 所: 茨城県土浦市高岡
URL: http://hisamatsufarm.com




※記載情報は取材当時のものです。
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posted by agri-map at 13:36| Comment(0) | 公的機関・公務員

「繁殖技術を活かして家業を発展させる!」 畜産農家 熊田貴智さん

大規模な畜産経営を展開する株式会社ジェイイーティファームでの社員時代に、ご実家が畜産農家の女性(同社員)と結婚し、婿入りした熊田さん(31)。
仕事のやりがいや今後の目標を伺いました。
(※当社発行の農業フリーペーパー「VOICE」37号/2016年冬号より転載)

繁殖技術を活かして家業を発展させる!

37号_熊田さん.jpg―まず、ジェイイーティファームさんに就職したきっかけを教えてください。
 実家は非農家ですが、動物が好きで大学は農学部に進学しました。最初は動物福祉に興味があり「命あるものを大事にしなきゃいけないよ」ということを学びたかったのですが、「そもそも、命を食べるとはどういうことかを学ばないと、それも言えないのかな」と思い、畜産を専攻しました。そこで学んでいるうちに「畜産も楽しいんだな」とだんだん意識が変わって、卒業後は畜産業に就きたいと思い、規模と技術的な内容に魅かれてジェイイーティファームに就職しました。

―どのような仕事をされていましたか?
 入社後1年間は搾乳を担当し、その後4年間はずっと繁殖を担当し、妊娠検査や人工授精をしていました。もともと「牛に関わる仕事がしたい」と思っていたので、どんな仕事も楽しかったですね。

―奥様とは社内結婚し、今は奥様の家業へ入り肉牛肥育をされていると伺いましたが、もともと「畜産で独立したい」という気持ちはありましたか?
 半々ですね。現実的に、非農家から畜産で新規就農するとなると資金面で相当ハードルが高くなりますから。ただ「独立したい」という気持ちもあったので、農家の跡取り娘と結婚して家業を継承すること自体は高いハードルではありませんでした。

―家業に入り、やりがいや大変なことなどを教えてください。
 うちは3世代6人で、和牛肥育120頭と、米17ha、そして野菜生産をしています。大変なことは、この人数でこの規模を回さないといけないことですね。人を雇うとなると人件費などまた別の壁がありますから。
 やりがいは、新しいことを始められた点です。これまでは乳牛の一部門を仕事としていましたが、今は和牛の肥育に関すること全部が仕事で、しかも和牛の哺育や肥育の知識は全くなかったので、イチから勉強しています。新しい知識もたくさん増えて、それをすぐに実践できて、できあがったお肉の質も確認できるので、楽しいですね!

―今後の目標を教えてください。
 今は肥育だけですが、ジェイイーティファームで学んだ繁殖技術を活かして、繁殖も始める予定です。繁殖ができると、例えば血統から牛を産み出すことも出来ますし、牛の育て方も手をかけた分だけ子牛に反映されてくるので結果が目に見えるんですよね。そして、その子牛を肥育してお肉にすると「あれは良かった。これはダメだったから次はこう改善しよう」というところまで全部見えてくるので、すごく楽しいんです!将来的には、繁殖と肥育をあわせて1,000頭まで増やしたいと思っています。どんどん規模拡大もしたいですし、法人化も目指したいですね。

―最後に、学生に一言お願いします!
 祖父や父の世代は「作ったものを農協に出荷して終わり」でしたが、今は「いかに売るか」ということも課題です。うまくやっていく必要もありますが、やればやった分だけ販路も広がると思います。
 農業は成果が見えやすい職業ですし、楽しいですよ。あんまり大きなことは言えないですが・・・、みんなで日本の農業を盛り上げていきましょう!




※記載情報は取材当時のものです。
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「部門のスペシャリストを育成する!」株式会社ジェイイーティ ファーム

20〜30代の若い方々が生き生きと働いている株式会社ジェイイーティ ファーム。
大規模な畜産経営を展開する同社の仕事内容や独立支援について、飼料原料部兼事業推進室の早川寛二さんにお話を伺いました。
(※当社発行の農業フリーペーパー「VOICE」37号/2016年冬号より転載)

部門のスペシャリストを育成する!

37号_JETファーム (1).jpg*写真右より、早川さん、熊田さん(元社員)

―まず、御社の概要と具体的な業務内容について教えてください。
 当社は乳肉複合経営を展開しているジェイイーティ(JET)ファームグループの中核を成す会社で、酪農業を中心に約2600頭の牛を飼育・管理しています。
 部門は大きく、デイリー部、堆肥管理部、飼料原料部の3部門に分かれています。具体的な仕事内容は、例えば、デイリー部の中で繁殖管理の担当になると、直腸検査や繁殖検診、人工授精、妊娠検査などをします。哺育・育成管理の担当になると、毎月200頭以上産まれる子牛の世話をしています。当社の事業方針の一つに「効率化・省力化」があるので仕事自体は縦割りですが、頭数が多い分、それぞれの担当のスペシャリストになれると思います。
 社員の多くは20〜30代で、地元の高校や農業大学校、一般大学の新卒生を積極的に採用しています。中には「実家が畜産農家で数年後には家業を継ぎたい」という方もいますよ。

―「ゆくゆくは家業を継ぐ方」を採用される背景には何かあるのですか?
 志が強いから、ですね。例えば、「5年間は勤めて、その後は自分で畜産業をやりたいんだ」という独立心のある方は、働いていても芯がしっかりしています。
 当社としては「一人前になってきた。もっと活躍できそうだ」という人達がどんどん出ていくので得ではないかもしれませんが、「日本の畜産業の担い手育成」という面では大きな意味があると思います。いま働いている社員の中にも、ゆくゆくは会社を辞めて家業を継承する予定の者がいますよ。

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△フリーバーン牛舎。38棟で2,600頭の乳牛が飼育されている。

―非農家の社員さんから「独立したい」と相談されることもありますか?
 ありますね。ただ非農家からの新規就農となると相当ハードルが高くなります。一つは、畜産は稲作や畑作と違い「のれん分け」をすることが難しい点です。例えば、稲作や畑作だと農地を分け与えることができますが、畜産は生き物なので難しいですよね。他にも、今は素牛(もとうし)の価格も非常に高いですし、牧場となる土地の確保や、畜舎をはじめとする施設整備も考えると、かなりの資金力がないと難しいと思います。
 当社では今はまだ独立支援をする体制がありませんが、将来的には取組みたいと考えています。

―独立志向でなくとも畜産業に関わりたい学生や「畜産を専攻していないが畜産現場で働きたい」という学生もいると思うのですが、御社を就職先として考えても問題ないでしょうか?
 「畜産やってみたい!」という心意気さえあれば大丈夫です。実際、私たちも社員同士で協力して、足りない部分を補いながらやっていますから。
 現場で教わりながらスキルアップしていくという体制は整えていますし、外部のセミナーで学ぶ機会や専門誌で情報を手に入れる機会もたくさん用意しています。気持ちの面でやる気があり、モチベーションが高く、コツコツ仕事ができる方は大歓迎です。

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△エサをやりながら牛の健康状態や発情をチェックしていく。

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△大型の搾乳施設。一度に100頭搾乳できる。24時間稼働!

―最後に、学生にメッセージをお願いします!
 大きい小さいに関わらず、畜産業にしっかりとした夢を持った方はぜひ来てほしいですね。当社も大きな夢があるので、共鳴する部分があるのではないかと思います。
 また、例えば乳牛を見ていると、牛たちの能力(一頭当たりの個体乳量など)が毎年すごく上がってきているんですね。牛が成長しているのに人間が停滞しているのはおかしな話なので、私たちもスキルアップして牛たちに合うような大きな仕事をしていきたいと思っています。一歩ずつでも頑張りたい方は、ぜひ一緒に働きましょう!

会社概要

【社   名】 株式会社 ジェイイーティ ファーム
【事業内容】 搾乳事業、肉用牛の飼育・肥育及び販売事業、肥育牛預託事業、太陽光発電事業
【所 在 地】 栃木県芳賀郡市貝町大字刈生田
【サ イ ト】 http://www.jetfarm.co.jp/
【沿  革】 1979年、北海道江別市で肉牛牧場を創業し、1987年以降、栃木県にてグループ事業の根幹となる乳肉複合経営を本格的に展開。現在、酪農と子牛を哺育育成する「ジェイイーティファーム」、肉牛の肥育や牛糞を発酵・堆肥化する「栃木ファーム」、その堆肥を圃場に還元して自給飼料を生産する「ジェイイーティ・アグリサポート」の3社が連携して「乳肉複合経営」を展開している。




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