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2014年06月30日

つなげ!Value-Chain 盛り上げろ!地域【株式会社農林漁業成長産業化支援機構(A-FIVE)】

株式会社農林漁業成長産業化支援機構(A-FIVE)
投融資本部 シニアディレクター植草茂樹さん(左)・シニアアソシエイト寺西真也さん(右)

  
(※当社発行の農業フリーペーパー「VOICE」27号/2014年夏号(6月発行)より転載)

「つなげ!Value-Chain 盛り上げろ!地域」

―御社はどのような組織ですか?
 農林漁業の6次産業化を応援するための官民ファンドです。1次産業者(農林漁業者)が2次・3次産業者と一緒になって新技術や販路を開拓し、ともに成長していくことを狙いとしています。また、6次産業化が進むことで市場が増え、農林漁業者の所得も上がり、地域に雇用が生まれ、地域を元気にしていくことを目指します。

―出資先はどこになるのですか?
 1次産業者と2次・3次産業者が共同出資して設立した株式会社(6次産業化事業体)への投資を基本パターンとしています(下図参考)。地域金融機関等と当社が設立したサブファンドはその会社の50%の株式を持ち、残り半分のうち過半数以上を農林漁業者が、過半数未満を2次・3次産業者が持ちます。価格決定権がなく弱い立場となることの多い農林漁業者が主導権を持てるようにしています。また、本来は、農林水産物を高く売りたい1次産業者と、安く仕入れたい2次・3次産業者は、利益が相反する関係にありますが、ファンドはその間に入って利害を調整する機能も果たしています。


図:農林漁業成長化ファンドによる資金供給の流れ(出典:株式会社農林漁業成長産業化支援機構)

―出資のために、新しく会社を設立する意義はなぜでしょうか?
 一つは、リスク分散です。新しいチャレンジは成功することもあれば失敗することもあるので、別会社を作り事業や資金を切り離すことで、農林漁業そのもののリスクを最小限に抑えようという考え方です。また、1次産業者と2次・3次産業者が共同出資して株式会社をつくることで、お互い同じ目線に立つことができます。

―どのような事例がありますか?
 現在24事業体がこのファンドを活用しており、今も案件は増えつつあります。事業内容は、ワイン・ツーリズム事業、植木や盆栽の輸出事業、車エビの周年販売事業、カット野菜の新事業、畜産物を使った外食事業など様々です。事業は各地域で行われるため、地域の金融機関との連携がとても重要になります。当社では現在、地域金融機関を中心に43件のサブファンドを設立し、出資先の開拓・マッチングなどを行っています。

―6次化を進めるにあたって、どのような点が難しいと思われますか?
 1次産業と2次・3次産業のスピード感が全然違うという点ですね。例えば、ある事業で大ヒット商品が生まれても、原料である農林水産物は今日・明日で生産量を増やせない、というように。スピード感を合わせていくことは難しいのですが、そのためのキーワードがバリューチェーン(Value-Chain)です。

―そういえば「A-FIVE」のVはバリューチェーンのVですよね!(※)
 その通りです。これは、「1次→2次→3次のつながりを強化することで新たな付加価値を作っていこう」という考え方です。スーパー・レストランなどでも「顔が見える野菜」がキーワードになっていますが、私たちはバリューチェーンのつながった付加価値のある事業に投資をしています。バリューチェーンをつなげることで1次・2次・3次産業がそれぞれ成長し、世界遺産にもなった日本食が国内外で安心して届けられる仕組みができれば良いと思います。

―御社の取組は、今後の農業界にどのような変革をもたらすと思いますか?
 農業を含めた1次産業は、その地域の産業を発展させる「根っこ」の部分だと思います。言い換えると、その地に根付く、あるいは、その地域を盛り上げる大きなポテンシャルをもつ産業です。1次産業者が主役になる我々の活動は今はまだ「点」の段階ですが、これが「線」となり、「面」となり、大きな力を持ち、地域色のあふれた産業となり、日本全国が元気になってくれることを目指して、活動を続けていきたいと思います。

※「A-FIVE」は「Agriculture, forestry and fisheries Fund corporation for Innovation, Value-chain and Expansion Japan 」の略称




※記載情報は取材当時のものです。
※無断転用・転載・改変を禁止します。引用の際は、当社までご連絡ください。
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posted by agri-map at 00:00| Comment(0) | 金融
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