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2015年03月31日

リンガーハットを支える契約農家【茨城中央園芸農業協同組合】

茨城中央園芸農業協同組合
専務 藤田正三 ・ キャベツ部会長 雨谷克己

 今回は、リンガーハットさんにご紹介いただき、茨城中央園芸農業協同組合の藤田正三さん(専務)と、雨谷克己さん(キャベツ部会長)に取材をさせていただきました。リンガーハットさんとの関係性に迫ります!

株式会社リンガーハットさんのインタビューはこちらから

[左写真:藤田さん(右上)、雨谷さん(左上)、リンガーハット三宅さん(右下)、雨谷さんの後継者(右2番目上)と研修生の方々]

(※当社発行の農業フリーペーパー「VOICE」30号/2015年春号(3月発行)より転載)

安定出荷できる良いキャベツをいかに作るか

―契約栽培を始めたきっかけを教えてください。

藤田: ある肥料会社さんからの紹介で、1990年から始まりました。リンガーハットさんが大々的に国産化に踏み切るよりも20年近く前の話です。当時は市場流通が主流で、契約栽培は非常に珍しかったですね。

―なぜ踏み切ったのですか?

藤田: 安定した販売ができるからです。一般的に、市場流通は相場に左右されて価格が大きく変動します。「不作の時はものが悪くて高騰する、豊作の時はものが良くて暴落する」というのが市場の原理です。「その波で儲けよう」と考える生産者もいて、それは一つの経営判断でもありますが、「安定的に農産物を使いたい」と考えている企業は困るじゃないですか。だからこそ「安定産地を作りたい」と声をかけていただきました。当組合の生産者も「安定して売れるなら作りたい」とのことで利害が一致し、契約栽培に踏み切りました。雨谷さんは、もう20年以上携わっていますよ。

雨谷: 契約栽培は「なぜ相手が契約をしたがっているのか」をよく理解する必要があります。市場原理の通り、不作の時はものがなくなるので追加オーダーもたくさん入りますが、「リンガーハットさんも大変だから一生懸命出荷しよう」と思って頑張ります。そうすると互いに信頼関係も深まりますよ。逆に、豊作で市場価格が暴落した時にも一定価格で取引ができるので、助かります。

―安定供給がポイントですね。安定供給をするために、何か工夫されていることはありますか?

雨谷: 土づくりや品種の選定、圃場の選定などを中心に工夫しています。

藤田: 特に土づくりに関しては、肥料メーカーさんと実験圃場を使いながら、病気や歩留まりの問題を解決する方法を研究したり、撒く間隔や時期、肥料成分の濃度を変えてみるなど、様々な工夫をしています。この努力が結果的に「食の価値」にもつながると思います。
 ただ、それだけではカバーしきれないので、例えば、栽培が難しい春の早期出荷の際は、マルチングやトンネルなど栽培上の工夫も重要になってきます。そうなると資材費が大幅にかかるので、その時期に出荷するキャベツは単価を上げていただきました。リンガーハットさんには生産者の苦労をご理解いただき、本当に感謝しています。

雨谷: 高い生産リスクが価格に反映されるとモチベーションも更に上がります。

―お互いに理解しあっているのですね!農家さん側も何かされていますか?

藤田: 毎年マイクロバスを借りて、生産者みんなで工場見学に行っていますよ。

雨谷: 工場で自分たちのキャベツが加工されていくのを見るんです。「俺のキャベツだ」ってね。コンテナに全部名前が書いているので分かるんです。もちろん、工場の方々とも話をして、いろんなご意見をいただきます。実際に工場に行くと意識も変わりますよ。「あの人が使ってるからもっと良いものを出そう」と思いますね。

藤田: リンガーハットさんも、1カ月に1回くらい圃場に来られますよ。かつて米M会長もここへ来て、「どれだけ当社が頑張ってもキャベツがないとチャンポンはできません。ぜひ良い物を安定供給してほしい」と言われたことがあります。あの言葉は今でも覚えています。「リンガーハットさんはキャベツの産地作りに関して、本当に思い入れがあるんだな」って。

雨谷: 当時の産地担当者はほとんど役員になっていますし、そういう人材を大事にされる会社だなと思いますよ。

―リンガーハットさんのように、食から農業を考える取組みについて、農業者としてどう思われますか?

藤田: 2009年の国産化の取組みを聞いた時はびっくりしましたね。こんなに上手くいくと思わなかったですよ(笑)。成功したのは、先頭を走ってきた米M会長の判断の賜物だと思います。
 それに、なんといっても鮮度がすごく良いので、食べると違いが分かります。キャベツであれば、収穫から加工、全国の店舗納品まで3日間というスピードで、各店舗への出荷は毎日だと聞いています。だからこそ、リンガーハットさんと農業者が一体となり、より良い物を届けていくことが重要です。

雨谷: 最終的には、食べているお客様に喜んでもらわないとね。

藤田: 自分たちも近くの店舗に食べに行きますよ。月に数回行って、お客様の反応を見ます。自分たちのキャベツが入っているので、美味しそうに食べている光景を見ると嬉しくなりますね!

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△取材時、トンネル(左)の中には、春の出荷を待つキャベツ(右)が育っていた。




※記載情報は取材当時のものです。
※無断転用・転載・改変を禁止します。引用の際は、当社までご連絡ください。
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posted by agri-map at 00:00| Comment(0) | 農業法人・農業者
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