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2016年09月30日

信頼と義理人情がつくる、農と食の「架け橋」 【東京青果株式会社】

東京青果株式会社(東京都大田区)

東京青果 (2).jpg 大田市場の卸売業者の一社であり、卸売業者の中で規模・売上げともに日本一を誇る東京青果株式会社さん。
 今回は、能力開発課 課長 高橋さん、課長補佐 小澤さん、係長 齋藤さんに、業務内容や心意気について伺いました。

☆写真:小澤課長補佐(左)と斉藤係長(右)。
市場内には多種多様な荷物が並び、柱には東京青果さんの屋号「東一」の文字が見える。

(※当社発行の農業フリーペーパー「VOICE」36号/2016年秋号より転載)

信頼と義理人情がつくる、農と食の「架け橋」

―貴社が考える市場流通の機能やメリットを教えてください。
 当社では全国の産地から届いた農産物を大田市場で買参登録している仲卸業者や売買参加者にセリや相対売等を通して販売していますが、卸売市場の大きなメリットの一つは「ワンストップショッピング」です。青果物を市場に通すことで出荷する方も買う方も1カ所で済みますので、輸送費や品目を揃えるための手間といった様々なコストが大幅にカットされます。また、我々の使命は、「川上」と「川下」を繋ぎ、農産物を安定供給することです。

―扱う商品が農産物だと気象条件によって安定供給にも影響が出ると思いますが、どのように解決されていますか?
 もちろん、天候次第で出荷量が大きく変わるなど影響は受けます。その時は最大限の努力をします。例えば、豊作で出荷される品物が多い時でも全てを引き受け、逆に出荷数が少なく希望納品数に満たない時はできる限り全国から集めて供給します。しかし、需要より供給が多い日が長く続いたり、どれだけ頑張っても集められなかったりと限界はあります。その場合は、市場の状況、産地の状況を産地の方とお客様の双方へ、きちんと説明します。
 そのように地道に努力を重ねたり、お客様と常に連絡を取り合うことで、「川上」「川下」の両者から信頼を得ることができます。市場の仕事は人と人との信頼関係で成り立っている面が強いですし、義理人情が厚い業界だと思います。

―信頼関係が大切なのですね。連絡は頻繁にされているのですか?
 そうですね。当社では「トマト」「キャベツ」など品目別に担当を置いていますが、担当している産地の方とは1日に何度も電話をしてリアルタイムでやりとりをしています。中堅社員以上になると携帯に1000件近くも連絡先が入っています。
 日頃は電話連絡が多いのですが、直接産地へ伺うことももちろんあります。担当品目によっては全国各地に産地があるので、様々な地域の方と交流できることも楽しみの一つですね。たまに方言が理解しにくい時もありますが、だんだん慣れてきますし、話をすることで仲良くなって信頼感もより深まっていきます。

―なぜ品目担当制なのですか?
 その品目のプロフェッショナルになってほしいからです。例えば、スーパーへ行くと1年中キュウリが売られていますよね。これは「産地リレー」といって、今の時期なら東北・北海道、秋は関東、冬は四国・九州という風に時期に応じて産地がスライドしていきます。産地側は「現在の価格や、いつ頃から出せば良いのか」が気になり、顧客側は特に端境期が気になります。品目担当制をとることで地域をまたいだ情報収集ができ、双方が求めている情報をリアルタイムでお伝えすることができます。「日本で一番その品目に詳しくて、日本で一番売っている担当者」。それが理想ですね。

―最後に、今後の展望と学生へのメッセージをお願いします!
 当社はこれまで「業界1位」として卸売業を行ってきましたが、これからは「業界のリーダー」として業界全体を引っ張っていきたいと考えています。
 また、我々の仕事は全国の農家さんが出荷してくれて初めて成り立ちます。需要と供給のバランスから価格はどうしても変動しますが(※)、農家さんが来年もその先も農業を続けて農産物を出荷いただくためにも、我々は責任をもって販売をしています。一方で、消費者向けの販促活動も行っています。野菜や果物の栄養・健康面をアピールしたり、試食宣伝を行うこともあります。このように我々の仕事は、生産者と消費者のお役に立ち、広く社会に貢献するという志を大事にしています。
 当社の仕事は、青果物という天候に左右される商品を扱っているので、仕事自体はルーティンワークに見えても、日々状況が変わるので毎日ドキドキです。しかし、一生懸命やればやるほど農家さんのためにもなり、消費者のためにもなります。卸売業に興味がある方は、ぜひ就職先としても考えてほしいですね!

(※)これを「相場」という。全国の農産物の相場は大田市場の相場を参考にする場合が多く、ニュース等でも大田市場の相場や市場の風景が取り上げられることが多い。

東京青果 (1).jpg
△セリの様子。正面の赤い帽子を被っているのが東京青果のセリ人で、手前が仲卸業者または売買参加者。
*セリ人になるには「セリ人試験」(現場経験が3年以上必要)に合格する必要がある。



※記載情報は取材当時のものです。
※無断転用・転載・改変を禁止します。引用の際は、当社までご連絡ください。
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posted by agri-map at 00:00| Comment(0) | 流通・市場・小売
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