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2015年06月30日

品質と信頼で農業者と連携!【株式会社アグリ吉野家IS】

株式会社アグリ吉野家IS 仕入販売本部 本部長 久保 護

 今回は、有限会社穂海農耕さん(新潟県)からのご紹介で取材をさせていただき、穂海さんと吉野家さんの関係性を中心に伺いました!

有限会社穂海農耕 丸田社長のインタビューはこちらから

(※当社発行の農業フリーペーパー「VOICE」31号/2015年夏号より転載)

品質と信頼で農業者と連携!

―御社について教えてください。
 当社は、吉野家ホールディングス(牛丼の吉野家、ステーキのどん、はなまるうどん、京樽、等の持株会社)向けの原料の調達会社として平成21年に設立された会社です。その中で私は主に、吉野家、どん、はなまる、で使用するお米の仕入れを担当しています。

―穂海さんとは「みつひかり」でお取引をされているとお聞きしましたが、他にもお取引先があるのでしょうか?
 はい。現在、全国22社の農業法人様等とお取引がございます。ただ、この22社は窓口であり、穂海様のように個人農家様から集荷をされているケースもありますので、実際には100軒を超える農業者様と繋がりがあります。お取引先は今後どんどん増やしていきたいと思っています。

―どのようなお米を仕入れていますか?
 各事業所に合ったお米を仕入れています。例えば吉野家では、牛丼適性のあるお米です。具体的には、タレ通りが良い、硬質系のお米です。穂海さんに作っていただいている「みつひかり」もその一つです。
 農業者様には当社の品質に合うお米を作っていただいておりますが、栽培品種を決める際は安定生産ができるよう、収量性があるか、その地域で作りやすいか、価格に合うか等の意見交換をし、双方の意見が合致するお米を選んでいます。

―お取引をする上で大事なポイントはありますか?
 信頼関係を築けるかどうかですね。そのためにも実際に現地へ行き、情報交換をさせていただいております。農業者様からは生産現場の情報をいただくので、こちらからは外食の現状や、その他にもお役に立ちそうな情報をご提供しています。
 このように、お取引様を含め様々な方とお話が出来ることはバイヤーの楽しさでもあります。特に農業者様は、お話をさせていただく方のほとんどが社長さんなので、経営者の感覚やご判断など大変勉強になりますね。自己成長にも繋がります。

―逆に、どのような時が大変ですか?
 欠品が許されないので、天災が起きても大不作でも、店舗から要求があれば供給し続けなければならない時ですね。様々な工夫をして乗り切っています。

―最後に、学生へ一言お願いします!
 農業を始める人が一人でも増えれば嬉しいですし、継続的な販売先として当社がなれればとも思います。その為にも「マーケットイン」の感覚が重要です。今何が求められているのか、察知し続けてほしいですね。




※記載情報は取材当時のものです。
※無断転用・転載・改変を禁止します。引用の際は、当社までご連絡ください。
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2015年03月31日

食を通して、日本農業の活性を!【株式会社モスフードサービス 佐藤秀行】

株式会社モスフードサービス 佐藤秀行

 
(※当社発行の農業フリーペーパー「VOICE」30号/2015年春号より転載)

「日本農業の活性に寄与したい」。
こう語るのは、株式会社モスフードサービス アグリ事業グループ チーフリーダー 佐藤秀行さん。
同社の産地づくりにも携わってきた佐藤さんに、モスバーガーと農業の関わりについてお聞きしました。

食を通して、日本農業の活性を!

―御社が日本農業と深い関わりを持ったきっかけについて、教えてください。
 アグリ事業部ができたのは1997年ですが、1972年の創業当初から国産野菜を大事にしていました。モスバーガーは純日本生まれのファーストフードチェーンで、一号店は板橋区にある八百屋さんの倉庫を改造して作られました。その縁もあり、野菜は近所の八百屋さんから店長の目利きで仕入れていました。その方針は創業以来、踏襲されていました。

 ところが、90年代前半に「タマネギが辛い」というクレームを多く受けました。使用していたのは国産タマネギでしたが、貯蔵性を高めるために辛みの強い品種を使っていたことが影響していました。その際、「品種のせい」にせず「お客様のために新しい玉ねぎを作ろう」という創業者の考えから、92年に産地である北海道の種苗会社等との共同研究が始まりました。これが農業と関わりを持つ大きなきっかけの1つです。

 もう1つは、お客様に高品質な野菜を均一に提供するためです。例えば以前は、台風により供給が減った影響で、レタスの市場価格が「昨日まで1箱千円だったのに今日は1箱2万円になったうえ品質が悪い」というような事がよく起こりました。それを改善するために、品質や価格を年間を通して安定供給するための産地づくりを本部指導で始めました。これが94年頃の取り組みです。
 そして95年には首都圏の直営店24店舗に産地指定の野菜供給を開始し、97年には 「新価値宣言」と銘打ち、産地指定の生野菜の全国導入を開始しました。合わせて実験農場にも取組み始め、今では全国に4つの自社系農場があります。

―なぜこれほどまで、国産野菜や農業にこだわっていらっしゃるのですか?
 国産野菜は「おいしいものを作りたい」を突き詰めていった結果なんですよ。当時はいろいろ食べ比べをしましたね。
 また、取組みを通し農業経営にも関わり始めると様々な課題が見えてきて、「やはり日本農業は、このままではまずいのではないか」と感じるようになりました。例えば、全てを輸入に頼ると資本は海外に流出してしまいますが、国産にシフトし、国内で頑張っている方々と一緒に仕事をすることで国内の資本が回るようになります。この観点はすごく大事だと思います。
 しかし、全ての原料を国産にすると、かなり高額なハンバーガーになってしまう。その反面、国産の取り組みはお客様からも期待をされています。そこで、なかなか一気にはできませんが、野菜以外にも国産肉を使用したハンバーガーの開発や、キッズメニューでの米粉を使用したバンズ等の開発など、できるところから始めています。このように、少しでもお客様と一緒になりながら、日本農業の活性に寄与したいという想いがありますね。

―そうなると、私達も食を通じて農とつながることが重要になりますね。お客様向けの取り組みもされていますか?
 最近新たな挑戦として、一般のお客様と農場まで行き、収穫したトマトで「モス野菜バーガー」を作るという企画をしましたが、非常に好評でした。他にも、昨年は「モスの日」に店頭でひまわりの種をお渡しし、ご家庭で撒いてもらい、生長過程をネットに投稿してもらうというお客様参加型の企画を実施しました。日常の取り組みでは、店頭に協力農家さんを明記した「野菜掲示板」を出し、その日に使われる主な野菜が、誰が作った野菜なのか分かるようにしています。
 この「野菜掲示板」は、農家さんのモチベーションアップにも繋がるようで、「名前が書いてあり励みになった」「東京の親戚が写メールを送ってくれて感動した」など、嬉しい声をいただきました。もちろん会社としても、社員が畑に手伝いに行ったり、逆に、農家さんをお店にお招きしハンバーガー作ってもらうなど、双方のコミュニケーションも高めています。

―最後に、私たちのような若い消費者が食と農業にどう向き合っていけばよいか、お考えをお聞かせいただけますか?
 「自分の購買行動が国力を支えることにつながる」と考えていただければ嬉しいですね。農業は国力ですから、食を選ぶときは安易に価格だけで判断せず、適正な価格であれば、少しでも国産を選んでいただきたいと思います。当社がその選択肢の一つとなれば嬉しいですし、そうなれるようにこれからも頑張ります。日本ならではの食材を通して、日本の食の良さを伝えていきたいですね。


(左)野菜掲示板 (右)定期的な産地訪問により良好な関係を築く




※記載情報は取材当時のものです。
※無断転用・転載・改変を禁止します。引用の際は、当社までご連絡ください。
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国産野菜の美味しさを広めたい!【株式会社リンガーハット 三宅久美子】

株式会社リンガーハット 三宅久美子

 
(※当社発行の農業フリーペーパー「VOICE」30号/2015年春号より転載)

「日本の野菜をおいしく食べる。」をコンセプトに全国展開をされている株式会社リンガーハットさん。
その真相を広報担当 三宅久美子さんにお伺いました。

国産野菜の美味しさを広めたい!

―国産野菜を使い始めた経緯を教えてください。
 弊社の代表取締役会長兼CEO米Mが日本フードサービス協会会長をしていた頃、全国各地の農家さんを訪ねる機会があり、「やはり国産野菜は美味しい。日本の農家さんもこんなに頑張っている。こういう美味しい野菜でちゃんぽんを作り提供したい」と強く思い、社長に再就任した1年後の2009年10月から、全店で国産化を実施しました。

―それまでは国産野菜を使用されていなかったのですか?
 それまでは2品目が国産でした。キャベツは国内の契約農家さんから、モヤシは自社工場栽培のものを使用していましたが、その他は輸入品でした。国産に切り替える時、私たちが納得できる野菜を育ててくれる農家さんを探すのは大変でしたが、そのおかげで新鮮な野菜が毎日届く産地リレーも構築できました。翌2010年には麺などに使用する小麦粉も全量国産にしました。お肉等の国産化は難しいのですが、当社の求める品質条件に合った産地から調達しています。

―野菜や小麦粉を国産に切り替えてから、お客様の反応は変わりましたか?

 「美味しくなった」「安全安心が感じられる」「栄養たっぷりで嬉しい」など、嬉しいお声を頂きました。一番人気の商品は、野菜を通常の「長崎ちゃんぽん」の2倍近く480gも入れた「野菜たっぷりちゃんぽん」です。
 実は米Mが国産に切り替える決断をした際、当初は役員全員が反対しました。加えて、当時は値下げ競争が激しかったのですが、「信念を貫き、美味しい商品をご提供しよう」と全商品で値上げをしました。米M自身も不安があったようですが、先行販売でお客様から高評価をいただいたり、社員が自主的に書いた決意表明を受け、会社全体が一丸となり自信を持って売り出せました。
 販売後、数カ月が経過したころから右肩上がりになり、お客様の層も、それまで8割近くを占めていた男性から、女性や家族連れが増えました。世間的にも「食の安全」が脅かされる事件が多かった時期なので、それも追い風になったのではないかと思います。

―消費が増えると契約農家さんも喜ばれますね!ところで、契約農家さんと信頼関係を築くために、何か取組まれていることはありますか?
 実際に産地に出向き野菜の状態を確認し合ったり、こまめな情報交換や、時にはメディアにも一緒にご登場いただいています。産地は全国に広がっているので、旬を追いながら訪問していますよ。

―取組みを通し、「日本農業に貢献している」という意識もお持ちですか?
 米Mは「日本の農家さんを応援したい。食料自給率のアップにも少しでも貢献できれば」と思っており、社員の多くもそう考えていると思います。もちろん、多くの農家さんのご協力は大変ありがたいことですし、以前ある農家さんが「リンガーハットに出す野菜を作るために、孫が継ぐことになったんだよ」と話してくださり、とても嬉しくなりました。
 また、お客様には、よりご安心いただけるよう、店頭での産地表記をはじめ、食育にも取り組んでいます。例えば先日は「親子で作ろう!myちゃんぽん教室」を開催しました。この企画では、お店のシステムが再現されたキッチンで、当社スタッフが調理の説明やサポートをしながら、用意されたトッピングから好きなものを使ってmyちゃんぽんを作っていただきます。その中で、新鮮な野菜の美味しさ、農家さんの取り組み等を、楽しみながら学んでいただきます。ご参加されたお客様からは「リンガーハットの商品がどのような工程で作られているのか分かり、安心・安全であることを実感できた。食べに行くのが楽しみになった」等のお声をいただきました。
 これらの取組を通し、既存のお客様はもちろん、次世代のお客様にも野菜の美味しさを伝えていきたいと思っています。

―大学生にも、何か伝えたいことはございますか?
 いま食べている野菜が、どこで生産されたものか知ったうえで食べたり、野菜の美味しさを味わっていただきながらお腹を満たしていただきたいですね。
 その場所が当社であれば嬉しいですし、そのためにも新鮮な国産野菜を生かして、美味しい商品をつくり、提供していかなければいけないと考えています。それが当社の使命の一つだとも思います。
 また、当社も契約農家さんも、「お客様の笑顔を見たい」という同じ目標があるので、それに向かいお互いを高めあっていくことも大切だと考えています。そのためにも、今後も農家さんとの連携をしっかり築いていきたいと思います。


(左)野菜たっぷりちゃんぽん (右)「親子で作ろう!myちゃんぽん教室」の様子




※記載情報は取材当時のものです。
※無断転用・転載・改変を禁止します。引用の際は、当社までご連絡ください。
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