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2016年09月30日

全国に広がる「援農隊」!〜地区推進事業者〜【西宇和みかん支援隊】

全国に広がる「援農隊」

「援農隊事業」の仕組み.jpg農業の担い手不足が叫ばれている中で、全国に広がる「援農隊事業」をご存知でしょうか? 2014年に農林水産省が呼びかけ、全国各地で援農の仕組みづくりが推進されています。
今回は、「援農隊事業」がスタートした背景から現場の生の声まで取材しました!

「援農隊事業」の詳細はこちらから

(※当社発行の農業フリーペーパー「VOICE」36号/2016年秋号より転載)

西宇和みかん支援隊

西宇和みかん支援隊 (2).jpg 地区事業者の中で初年度から参加されている西宇和みかん支援隊さん。現場での取り組みについて、JAにしうわ 農業振興部 菊池さん(左)と井上さん(右)に伺いました。

―「援農隊事業」に取り組まれたきっかけを教えてください。
 平成26年に「援農隊事業」が始まった時、地域農業への労働力確保や新規就農者確保の仕組みづくりを構築することを目的に「西宇和みかん支援隊」が立ち上がりました。
 実はそれ以前から地域ごとで人材確保の取り組みはありました。例えば、八幡浜市の真穴地区では20年以上前から農繁期の人材確保を目的とした「みかんアルバイター」制度があり、八幡浜市では平成25年から交流や農作業ボランティアを目的とした「八幡浜お手伝いプロジェクト」があります。それらは、人口流出や高齢化により地域内での人材確保が難しくなったために始まったという背景があります。
 一方で、「この地で就農したい」という相談が来たときに、受入体制が構築されていなかったために定着させることができなかったということもありました。そこで、自治体やJA等が連携して受入れの仕組みづくりをするため、この「援農隊事業」を活用することにしました。我々はその事務局として、人材の募集や面接、マッチングをしています。

―実際に、どのような方が応募されていますか?
 「みかんアルバイター」は平均年齢が32歳で、社会人や大学生の方など幅広くいらっしゃいます。大阪や東京など県外の方が多く、就職の決まった大学4年生や企業によっては採用した学生の研修先としてご紹介いただくこともあります。リピーターも多く、去年は180人のうち50人程がリピーターでした。「八幡浜お手伝いプロジェクト」は松山市やその周辺の方が多くいらっしゃいます。土日に実施することが多く、有償ボランティア(※)で副業にもあたらないので、公務員の方も多くいらっしゃいますよ。

―若者が参加することで何か 変化はありましたか?
 受入先や目的によって違うと思いますが、例えば高齢の農家さんが多い地区に大学生がボランティアに行ったとき「若い人の声が地区に響くだけで十分だ」と仰っていたのは印象的でしたね。
 あと、受入れが初めてで「本当に役に立つのか、遊びに来るだけじゃないか」と言っていた農家さんも「仕事をしてもらって助かっている」と意見に変わるなど、良い方向に意識が変わってきたと感じています。今年度で当地区の「援農隊事業」は終了しますが、補助事業終了後も色んな仕組みづくりをしていきたいですね。

―今後の目標を教えてください!
 アルバイターの産地リレーを作りたいですね。例えば、愛媛での援農が終わればスタンプを押して沖縄へ、沖縄が終われば北海道へと回っていき、スタンプが全てたまると何かもらえるような。そうすると各地で安定した人材確保ができますし、募集費等が下がる分、アルバイターにボーナスを出せるかもしれない。そして、当地をはじめ気に入った地域で就農する学生や若者が増えていけば嬉しいですね。

(※)農作業を手伝う「お手伝いワーカー」には、バイト代ではなく、八幡浜市内で使えるクーポン券を支給している。

西宇和みかん支援隊 (1).jpg
△廃校を改修した宿泊・合宿施設「マンダリン」。援農隊員もよく利用している。

西宇和みかん支援隊

みかんの産地、愛媛県西宇和地区にある支援隊。将来の担い手づくりや安定した労働力確保に向けて、自治体・農業委員会・JAといった関係機関・団体が連携し設立された。2014年5月から地区推進事業者として活動を始める。




※記載情報は取材当時のものです。
※無断転用・転載・改変を禁止します。引用の際は、当社までご連絡ください。
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全国に広がる「援農隊」!〜全国推進事業者〜【パソナ農援隊】

全国に広がる「援農隊」

「援農隊事業」の仕組み.jpg農業の担い手不足が叫ばれている中で、全国に広がる「援農隊事業」をご存知でしょうか? 2014年に農林水産省が呼びかけ、全国各地で援農の仕組みづくりが推進されています。
今回は、「援農隊事業」がスタートした背景から現場の生の声まで取材しました!

「援農隊事業」の詳細はこちらから

(※当社発行の農業フリーペーパー「VOICE」36号/2016年秋号より転載)

株式会社パソナ農援隊

パソナ農援隊のお二人.jpg「援農隊マッチング支援事業」発足当初から「全国推進事業者」として携わっているパソナ農援隊さん。具体的な事業内容について、HR事業部 田中さん(写真右)と長谷川さん(写真左)に伺いました(※所属は取材当時のもの) 。

―「全国推進事業者」とは、どのようなことをされていますか?
 「地区推進」として採択されている17地区(平成28年度)の「地区推進事業者」を、仕組みづくりの面で支援しています。

―そうなのですね。てっきり貴社が募集や派遣をされていると思っていました。
 よく「パソナ農援隊が100人も200人も人材を抱えて派遣しているのではないか」と誤解されるのですが、実際に募集や雇用をするのは地区推進事業者です。事業者によって、地域の事情や事業内容は異なりますし、バイトもあればボランティアもあり、宿泊場所の有無、受入先の考え方の違いなど課題は沢山あります。我々はそれに対する解決策を一緒に作り上げたり、地区事業者が一堂に会する全国会議の機会を設けること等により、各事業者の「仕組みづくり」をサポートしています。

―仕組みづくりでは、どのような点を工夫されていますか?
 1つは、地域内の利害関係を超えた受入態勢づくりです。我々は、農家の平均年齢が66歳を超えている現状を考えると、5年以内に仕組みづくりをしなければ仕組みづくり自体が出来なくなるのではないかと危惧しています。だからこそ、互いが利害を主張するのではなく、地域が一体となった体制づくりを進めることが重要だと考えています。
 もう1つは受入側の意識改善です。例えば、「これだけバイト代を出すんだから即戦力になる人にだけ来てほしい」と思っていると、なかなか集まりません。そうではなく、「農業未経験者も受入れる仕組みづくりをしていこう。リピーターになってもらえる仕組みづくりをしていこう」という風に、受入側の考え方を変えていくための研修会も実施します。

―実際に援農に参加される方は、どのような方が多いですか?
 大きく分けて学生、主婦層、シニア層ですね。地域によって実施頻度はまちまちですし、宿泊施設を利用して長期で働く方もいれば、週末のみ参加する方もいらっしゃいます。中には、「やってみたら面白かった」と言ってリピーターになる方もいますよ。

―最後に、今後の展望と学生にメッセージをお願いします!
 今年度は『援農隊部隊』のような、当社から実際に派遣できる実部隊を作りたいと思っています。その中で着目しているのが『大学生』です。農業や環境、食の安全に興味のある学生さんも増えてきていると思うので、学業との両立など課題はありますが、地区推進事業者の方々と上手く繋ぐことで何か面白いことができるのではないかと考えています。
 また、農業界も変わってきていて、若い人のアイディアが必要とされる部分も沢山あります。特に農業は「食」を支える大事な産業。そこに就く人が増えればいいなと思いますし、就農までいかなくても、農業現場に出ることで味わえる感動も沢山あるので、ぜひ「援農隊」をご活用ください!

株式会社パソナ農援隊

13年前に「農業界の若手人材不足の問題を解決したい」との想いからグループ会社の一事業としてスタートし、2011年に同社を設立。農業者や自治体等への経営指導や育成支援など、農業に関する幅広い事業を行っている。




※記載情報は取材当時のものです。
※無断転用・転載・改変を禁止します。引用の際は、当社までご連絡ください。
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全国に広がる「援農隊」!【農林水産省】

全国に広がる「援農隊」

「援農隊事業」の仕組み.jpg農業の担い手不足が叫ばれている中で、全国に広がる「援農隊事業」をご存知でしょうか? 2014年に農林水産省が呼びかけ、全国各地で援農の仕組みづくりが推進されています。
今回は、「援農隊事業」がスタートした背景から現場の生の声まで取材しました!
全国推進事業者(株式会社パソナ農援隊)の取り組み
地区推進事業者(西宇和みかん支援隊)の取り組み

(※当社発行の農業フリーペーパー「VOICE」36号/2016年秋号より転載)

「援農隊事業」とは?

援農隊.jpg「援農隊事業」(※1)は、農林水産省さんの補助事業です。
詳細についてご担当者の平井 有貴子さん(農林水産省 生産局 技術普及課/写真右)に伺いました。

―「援農隊事業」の概要について教えてください。
 当事業の政策目標は「繁閑期にあわせた労働力の安定確保」です。具体的には、「地区推進」と「全国推進」を行う事業者を公募し(※2)、一時的な労働力が必要な産地において労働力の確保・育成・マッチング等をするための仕組みづくりを支援するもので、平成26年度から 30年度までの5年間実施します。
 目的は、「援農隊」のモデルケースをたくさん作ること。集めたモデルケースを広くPRし、労働力不足で悩む全国の産地の取組の参考にしていただくことで、全国の産地の底上げをしたいと思っています。

―「援農」という取組み自体は以前から様々な自治体や農業団体等も実施されていますが、この「援農隊事業」ならではの特徴は何ですか?
 事業者同士の横のつながり≠ェできることですね。例えば、当事業では、全国推進事業者が、年4回以上「全国会議」や「テーマ別会議」という形で、全国の地区推進事業者を集めて会議や先進地視察を行うこととしていますが、地域を越えた情報交換によって刺激を受け合ったり、ある地区(事業者)で効果的だった取組みを他の地区(事業者)でも取り入れるという波及効果を生む場となっています。

―最後に、「援農をしてみたい」と考えている学生に一言お願いします!
 「援農隊事業」は就農よりももっと手前にある事業です。農業に踏み込む気軽な一歩として捉えていただければと思いますし、数ある農業現場での勉強の場の一つとして「援農隊」を選んでもらえると嬉しいです。
 少しのお手伝いでも喜んでくださる産地はたくさんありますので、ぜひチャレンジしてみてください!

(※1)正式名称は、農業労働力最適活用支援総合対策事業のうち援農隊マッチング支援事業。

(※2)「援農隊事業」の仕組み
「援農隊事業」の仕組み.jpg



※記載情報は取材当時のものです。
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