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2017年09月30日

北海道 農業研修ツアー

北海道 農業研修ツアー

voice40_12p_10.jpg 9月4日(月)〜7日(木)の4日間、北海道農業研修ツアーを実施しました。
 この企画は、有限会社 社名渕みどり牧場 石丸さんの、「都会の大学生が北海道の農業についてどう思っているのか知りたい。まずは見てほしい」という一言から始まりました。
 今回参加したのは関東の大学生4名。期間中は農業実習や視察などを実施しました…が、学ぶだけではありません!ツアーの最後には「北海道(遠軽)で農業をする若者を増やすためにどうすればいいかを学生目線で提案する」という課題付き。さて、その成果とは?

1日目夕方石丸さんと顔合わせ、搾乳作業の見学
2日目

早朝酪農実習 [社名渕みどり牧場]
午前〜夕方視察 @株式会社はまほろ A有限会社ドリームヒル B有限会社森谷ファーム
若手社員の方々と交流会
3日目午前視察 Cノースプレインファーム株式会社
午後〜畑作実習(2か所) [高橋農園] [岡村農園]
4日目午前※引き続き、畑作実習。
視察 D有限会社井上牧場(*学生除く)
午後 遠軽町役場にて意見交換会、発表


酪農実習 〜経営と命を学ぶ〜

 ツアー最初の実習は社名渕みどり牧場さんでの酪農実習です。一般的に酪農の作業は、搾乳(多くの場合、早朝と夕方の2回)、牛の管理(病気のチェック、人工授精など)、エサやり、哺乳、掃除、牧草やデントコーン、サイレージ等の生産、機械整備、堆肥の処理、事務など多岐にわたりますが、今回私たちは朝4時半から始まる搾乳作業、掃除、エサやり、子牛の哺乳および体温測定を実習しました。
 初めて牛に触れる学生たち。石丸さんや社員さんにご指導いただきながら、慣れない手つきで作業を進めます。
 作業を通し印象的だったことは、この日で命を落とす牛の存在を知った学生の反応でした。その牛は病気のため立ち上がることができず治る見込みがないため、この日の午後に業者へ出すとのこと。石丸さんからは「投薬しているからお肉にはできなくて肉骨粉になるんだよ」と教えていただきました。家畜は愛玩動物ではなく経済動物。そのため経営判断が必要になるときがある。そう理解はしていても目の前に現実を突き付けられたことで、経営と命について改めて考えたようです。

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視察 〜様々な経営者から学ぶ〜

 「北海道には様々な農業がある。できるだけ多く知ってほしい」という石丸さんの意向のもと、はまほろさん(畑作・500ha以上)、ドリームヒルさん(酪農・経産牛 1700頭以上、育成牛540頭以上)、森谷ファームさん(畑作・35 ha)といった大規模経営体と、ノースプレインファームさん(酪農[有機JAS]・搾乳牛約60頭、育成牛約50頭)、井上牧場さん(酪農[ホルスタイン・ブラウンスイス・ガンジー]・合計約150頭)といった特徴的な酪農をされる経営体を視察しました。

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 規模も手法も異なる経営者の方々にお話を伺いましたが、共通の課題は、人材の確保・育成と、地域を守ること。学生の中には、視察のあと石丸さんから聞いた「北海道も本州もどの地域でも、大規模化や加工品製造への挑戦の裏にあるのは、地元を守りたいという共通した想いだよ」という言葉がとても印象に残ったそうです。

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社員の皆さんとの交流会

 社名渕みどり牧場に勤める20〜30代の若手社員さんのご厚意で交流会を開いてくださいました。社員さんの大半は非農家・異業種・北海道以外から就職された方々です。酪農を目指したきっかけ、仕事としての酪農、将来の目標など、ざっくばらんにお話をしました。

畑作実習 〜大規模経営を体感〜

 学生は2名ずつに分かれ、家族経営体の農家さん2軒(高橋農園さん・岡村農園さん)にお世話になりました。家族経営といえど、その規模は広大!例えば岡村農園さんでは、アスパラ・かぼちゃ・シソ・小麦・ビート等を生産されていますが、面積はのべ40 ha!お世話になった時はシソのはざかけシーズンで、約9haから採れるシソを手作業ではざかけにしました。乾燥したあとは回収し蒸留をしてシソ油を採るとのこと。「ニッチな産業だから機械化が進まなくて全て手作業になる」というお話は衝撃的でした…!

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発表

 最後は、遠軽町役場の方も加え「北海道(遠軽)で農業をする若者を増やすためにどうすればいいか」を発表しました。学生たちの提案に真剣に耳を傾ける役場の方々。それというのも、現地ではこれから農家・役場・JAなどで構成される「担い手協議会」が立ち上がる予定で、その活動の参考にもしたいとのこと。そのため提案内容の記載は控えますが、 一つでも実現できるよう私たちもご協力できればと思います!

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北海道農業研修ツアーを通して…

● 和田 達典 [東京農業大学1年]
voice40_12p_06.jpg 今回のツアーでは北海道特有の農業について、地域の方々やほかの参加者から、知識や経験、農業への考え方、農業を取りまく問題への意見を聞きたいと思っていました。そして4日間を通し、成功談や失敗談、農業への心意気、経営者のまだまだ続く目標、従業員として働いている方々の夢や野望など、さまざまな立場のさまざまな意見を伺い、考えさせられるものがありました。
 酪農・畑作実習も大変勉強になりました。自分が知らない特色のある経営や生産を行っている農業に出会える機会があればもっと積極的に参加したいと思いましたし、北海道農業への関心が高まりました。

● 井上 息吹 [東京農業大学2年]
voice40_12p_07.jpg 当初、北海道ならではの大規模農業での実習や、法人化、6次産業化で成功されている経営者の想いや道のりなどを伺いたいと思っていましたが、期待していた以上の体験やお話を伺うことができ、とても有意義なツアーとなりました。社名渕みどり牧場さんでは初めて酪農実習をしましたが動物と仕事をする難しさや楽しさを教えていただきました。なにより全てを通し大規模農業のインパクトは大きく、本州と北海道の農家さんの農業の価値観の違いも面白く、「本州ではできない農業が多い」と思ったことが素直な感想です。その中で共通の問題として人手不足があげられていたことが印象深かったです。

● 堀内 優花 [宇都宮大学3年]
voice40_12p_08.jpg ツアーに参加し、農業に関心のある学生であれば一度は北海道の農業を見る機会を持つ方が良いと思いました。以前から北海道の農業は大規模経営のイメージがありましたが、@大規模化になるほど投資の範囲も広がり土地や資金のやり繰りが一層大変になるという経営側の苦労に気づけたり、A機械化が進む中でも手作業でしか成り立たない工程がまだまだ沢山あることを大規模経営が主流の北海道で実感できたことは大きな学びになりました。大規模経営の現状を知り、10年後の農業経営を考える際、簡単に「大規模経営で機械化」ということを口にしなくなるなぁと思いました。

● 柳田 晋作 [千葉大学4年]
voice40_12p_09.jpg 実家は熊本県の柑橘農家です。中山間地域のため効率化が難しい地元の農業と北海道の農業は別物だと思っていました。もちろん規模や考え方は違いましたが、後継者や繁忙期の人手の確保、地域の人口減少と生産量の低下など農業が抱える課題や、それに対する農業者の想いは全国共通だと感じました。私の将来の目標は「地元の農業を持続的に発展させること」です。人材の確保や資金調達など多くの課題がありますが、今回の研修から多くのヒントをいただきました。
 この出会いに感謝し、日本の農業を盛り上げていくために、これからももっと勉強していきたいという意欲が強くなりました。

公式サイト

・遠軽町 ⇒ http://engaru.jp/
・(有)社名渕みどり牧場 ⇒ http://www.sangyo.net/job/detail/4842
・(株)はまほろ ⇒ http://www.hamahoro.jp/
・(有)ドリームヒル ⇒ https://www.dreamhill.co.jp/
・(有)森谷ファーム ⇒ http://moriya-farm.com/
・ノースプレインファーム(株) ⇒ http://northplainfarm.co.jp/wp/
・岡村農園 ⇒ http://okamurafarm.main.jp/index.html
・(有)井上牧場 ⇒ https://www.inouemilkfarm.com/

(※当社発行の農業フリーペーパー「VOICE」40号/2017年秋号より転載)



※記載情報は取材当時のものです。
※無断転用・転載・改変を禁止します。引用の際は、当社までご連絡ください。
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2017年06月30日

「食べる」は「命をいただく」こと
菅田 悠介 (慶應義塾大学 環境情報学部 3年)

食料廃棄問題と狩猟に興味をもつ大学生・菅田さんにお話を伺いました!

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(※当社発行の農業フリーペーパー「VOICE」39号/2017年夏号より転載)

―菅田さんのブログで、飼っている鶏を解体している様子を見ました。
 「食べ物は命だった」っていう感覚を伝えたくて。鶏が肉になる過程を知ってほしいんです。たしかに解体の様子を写真で見ると「グロい」ってなるんですけど、目の前でさばくと別の感情が生まれるんですよ。
 いま、大学の近くに畑をお借りしています。そこに鶏小屋も作って、9羽飼ってます。その鶏をさばいて食べるイベントもしています。ネットで見る情報だけで判断しないで、実際に触れて、食べることについて考えてほしいんです。

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(左)約1反の畑を耕している / (右)手作りの鶏小屋

―こうした活動を始めたきっかけは?
 大学1年の夏休みに、高校時代から興味を持っていた福岡の猟師さんの元に訪れ、鴨をさばく体験をしたんです。その時の衝撃がすごい大きくて。「その命を自分のものにさせてもらう行為が食べることなんだ」って感じました。それから一切食べ残しもしなくなったんです。「この感覚をほかの人にも伝えたい!」そう思ったのがきっかけです。

―いま、手にコーラをお持ちですが、普段はジャンクなものも食べるのですか?
 食生活は特にみんなと変わらないですよ!普通にファストフードとかも食べますし、いわゆる「どんなお肉かわからない」お肉も買って食べてます。でも、「このお肉は、どこで育って、どうやって解体されたんだろう?」っていう過程は、絶対に考えます。考えて、「いただきます」ってしっかり言って、食べる。どんなお肉でも、命の重さは同じなので。食べることをすごい意識してるから、食べ残すって概念はなくなりましたね。

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(左)菅田君が獲ったイノシシ(狩猟免許あり)/(右)ふいに渡されたイノシシの頭蓋骨にビックリ!

―いま大学3年生ですが、将来はどんな仕事に就きたいと考えていますか?
 理想は、今の活動をみんなに必要だと思ってもらい、それが仕事になるという形ですが、今の活動からどうやって利益を追求していいかわからなくて…そのあたりは、いま大学の授業で学んでいます。たとえそれが難しくても、食料廃棄の分野に関わりたい、というのは決めています。

―今後の展開を教えてください!
 僕がいつも大事にしているのは、「常識を疑う、当たり前を疑う」こと。どんな問題であっても、実際に自分でやってみて、とにかく考えることが第一歩になると思うんです。今の活動も「教える」というよりは、「知るキッカケを生み出したい!」と思っています。

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公式サイト

遠藤部族日記
⇒ http://tayusuga.hatenadiary.jp/



※記載情報は取材当時のものです。
※無断転用・転載・改変を禁止します。引用の際は、当社までご連絡ください。
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2017年03月30日

【農業法人×学生団体】『畑コン』開催!

イベントを通して「一歩、農のそばへ」

「第5回畑コン」を株式会社FIO(※)と共同開催した学生団体「アグリベラル・マルシェ実行委員会」。
同団体は、桜美林大学リベラルアーツ学群に所属する学生を中心に構成されています。
活動理念は「一歩、農のそばへ」。文系でありながら農業に関心を持ち自発的に農業に関わる活動をされている皆さんですが、今回は同団体の代表 鈴木空也さん(学部4年)に初の試みとなる学外活動「畑コン」の運営にかける想いと、普段の活動についてお話を伺いました。
(※)株式会社FIOは、東京都八王子にある20〜30代の若者が経営する農業法人。

(※当社発行の農業フリーペーパー「VOICE」37号/2016年冬号より転載)

アグリベラル・マルシェ実行委員会 代表 鈴木空也さん(学部4年)

voice37_12p01.jpg―「畑コン」に関わり始めたきっかけを教えてください。
 まず、私たちは年に一度、桜美林大学の校内で「アグリベラル・マルシェ」を開催していますが、その第1回目にFIOさんにもご出店いただき、繋がりができました。そのご縁でFIOさんから「畑コン」の運営をご提案されたのですが、その時はまだ自分たちの理念「一歩農のそばへ」が学外にも向いていることに気づいていなかったですし、農業を軸にした合コンのようなイベントがあることにも驚きました。

―「畑コン」は、皆さんにとってどのような企画でしょうか?
 私たちが運営させていただく「畑コン」の理念は、「畑での出会いを通じて一歩農のそばへ」。マルシェは学生を対象にしていますが、「畑コン」は学外の方に一歩農に近づいていただくための企画だと思っています。学生と社会の2つにアプローチすることが私たちの活動の基盤になると思っているので、欠かせないイベントです。

―普段はどのような活動をされていますか?
 先ほどもお話した「アグリベラル・マルシェ」の運営が最大の活動です。そのほかも農家さんのお手伝いや農業関係のイベンへトの参加、学内の畑で野菜の栽培を通じて、学生に農業について多面的に伝え、農業への関心を高めたいという目的で活動しています。

―活動を通して農業へのイメージは変わりましたか?
 実は私は、最初はさほど農業に関心があったわけではありませんが、ポジティブなイメージに変わりました。一緒に活動しているメンバーの中には将来の選択肢として農業を捉え始めた学生も出てきましたよ。また、マルシェのお客さんのアンケートで「農業に関心を持つようになった」というコメントもいただき、周囲の方の意識も変わり始めているのではないかと思っています。

―活動を通してどのようなことを得ましたか?
 理念が変化してきたことですね。私たちは当初、学生に農業を知ってもらう目的で活動を行ってきました。しかし、学生だけでなくいろいろな世代に関心を持ってほしいと思うようになりました。

―今後はどのような展開を?
 個人的には、学生主体でマルシェを開催しているのは珍しく価値のあることだと思っているので、他大学にも発信していきたいですね。
 今後の活動は、興味を持ってついてきてくれている後輩がいるので、彼らが主体的に考え活動してくれたら嬉しいです。

第5回 畑コンに潜入取材!!

voice37_12p02.jpg 晴天に恵まれた12月18日、第5回「畑コン」が開催されました。「畑で交流を深め、自然につながりを作っていこう」を目的にしたこのイベントに約20名の男女が参加。
 主催者の一人である(株)FIO山田さんの「畑で作業する畑コンはたくさんあるから、ゲームで童心に戻ろう」という意向のもと、「アグリベラル・マルシェ実行委員会」の学生たちが企画した「収穫ゲーム」「箱の中身あてゲーム」「ベジタブルバスケット」などのゲームで打ち解けあいました。その後、収穫した野菜を用いて参加者同士で作る「生春巻き」やBBQ、学生が考案したサツマイモスープや創作サラダに舌鼓を打ちながら交流を深めました。
 参加者からは「地元でこのようなイベントがあることがうれしい」。「食べることが楽しかった。自分が学生の時にはイベントの運営をしたことがなかったから、自分に置き換えてみるとすごいと思う」などの感想が聞かれました。

【 運営を終えて〜学生の声〜 】

●皆が自主的に行動して運営ができました。組織として、誰かの指示を待つのではなく、自分で動いていけるというのはよかったと思います。(鈴木)

●参加者も運営側も含めて、みんなの活気ある姿を見られたが良かったですね。最後お客さんが名残惜しそうにしていたのも印象的でした。(三宅)

●社会に出る前にこのような活動ができてよかったです。(五十嵐)

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※記載情報は取材当時のものです。
※無断転用・転載・改変を禁止します。引用の際は、当社までご連絡ください。
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